適格請求書の書き方と必須項目を完全解説|漏れなく対応するための全チェックリスト

- 適格請求書に必須の記載事項は、国税庁が定める6項目です。
- 発行事業者の氏名・名称と「T」で始まる登録番号が必要です。
- 軽減税率の対象品目には、その旨の記載が必要です。
- 税率ごとに区分した対価の額・適用税率・消費税額を書きます。
- 請求書番号や振込先などは便利ですが、法定の必須項目ではありません。
適格請求書 書き方 必須項目の結論

適格請求書の必須項目は6つで、これを満たせば様式は自由です。
所要時間の目安は、テンプレートがあれば1枚あたり5分ほど。難易度は、6項目さえ覚えれば高くありません。
必要なのは、自分の登録番号(Tから始まる13桁)、取引先の名称、取引日、品目、税率ごとの金額です。これだけ手元にあれば書けます。
適格請求書とは、区分記載請求書等保存方式の記載事項に、登録番号・適用税率・税率ごとの消費税額等を追加したものです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| ①発行事業者の氏名・名称と登録番号 | 誰が発行したか。Tで始まる登録番号も書く |
| ②取引年月日 | 課税資産の譲渡等を行った年月日 |
| ③取引内容 | 資産または役務の内容。軽減税率対象ならその旨も |
| ④税率ごとの対価の額と適用税率 | 税率ごとに区分して合計した金額(税抜または税込)と税率 |
| ⑤税率ごとの消費税額等 | 税率ごとに区分した消費税額 |
| ⑥交付を受ける事業者の氏名・名称 | 請求書の宛先となる相手の名称 |
請求書に記載が必要な事項
インボイス制度より前の段階で、請求書には発行者名・取引年月日・取引内容・取引金額・宛先の5つが基本でした。

適格請求書は、この基本の上に登録番号などを足したものだと考えると整理しやすいです。
まずは土台となるこの5項目を押さえます。これが抜けると、そもそも請求書として成立しません。
請求者名
請求者名は、誰がその請求書を発行したかを示す項目で、適格請求書では「氏名又は名称」として必須です。
屋号でも法人名でもかまいませんが、後述する登録番号と紐づく名義にしておくと取引先が確認しやすくなります。
私が見てきた中では、屋号と登録名義がずれていて取引先から問い合わせが来るケースが地味に多かったです。最初に揃えておくと後が楽です。
取引年月日

取引年月日とは、課税資産の譲渡等を行った年月日のことで、これも必須項目です。
納品日やサービス提供日を書きます。月末締めで1か月分をまとめる場合は、その期間が分かる書き方でも対応できます。
取引内容
取引内容は、資産または役務の内容を書く項目で、軽減税率の対象品目を含む場合はその旨の記載も必須です。

「Webサイト制作費」「コンサルティング料」のように、何に対する請求かが分かる粒度で書きます。
飲食料品など軽減税率(8%)の品目が混ざるなら、どれが対象かを明示します。ここが適格請求書で一番つまずきやすい所です。
取引金額
取引金額は、税率ごとに区分して合計した対価の額を記載し、税抜価額・税込価額のいずれでも認められます。
10%対象と8%対象が混在するなら、税率ごとに分けて合計を出します。一つにまとめてはいけません。
ここまでできていれば、金額欄を見ただけで「どの税率にいくらかかったか」が読み取れる状態になっています。
請求書の交付を受ける事業者名

交付を受ける事業者名とは請求書の宛先のことで、適格請求書では相手の氏名又は名称が必須項目です。
取引先の正式名称を書きます。「御中」の付け方より、名称そのものが正確かどうかが大事です。
なお、不特定多数を相手にする小売業や飲食店などでは、宛先を省略できる適格簡易請求書(レシート形式)が認められています。
適格請求書(インボイス)に記載が必要な事項
適格請求書で新たに加わるのは、登録番号・適用税率・税率ごとの消費税額等の3点です。

つまり従来の請求書5項目に、この3点を足したものが適格請求書になります。
逆に言えば、この3点さえ漏れなければ、既存のフォーマットを大きく作り替える必要はありません。
| 項目 | 区分記載請求書 | 適格請求書 |
|---|---|---|
| 発行者名・宛先 | 必要 | 必要 |
| 取引年月日・内容・金額 | 必要 | 必要 |
| 軽減税率対象である旨 | 必要 | 必要 |
| 登録番号 | 不要 | 必要 |
| 適用税率 | 不要 | 必要 |
| 税率ごとの消費税額等 | 不要 | 必要 |
請求書発行者の登録番号
登録番号は「T」で始まる番号で、適格請求書発行事業者の登録を受けた事業者だけが記載できます。
法人は「T+法人番号13桁」、個人事業主や人格のない社団等は「T+13桁の数字」が割り当てられます。
登録番号が無い請求書は、見た目が整っていても適格請求書にはなりません。受け取った側は仕入税額控除に使えないので、ここが一番重い項目です。
軽減税率の対象である旨の表記

軽減税率(8%)の対象品目を含む場合は、その品目が軽減税率対象である旨を必ず記載します。
よく使うのは、対象品目に「※」マークを付け、欄外に「※は軽減税率対象」と注記する方法です。
私の経験上、IT系やコンサル系のフリーランスは8%対象の取引がほぼ無いので、この欄を気にしなくてよい人も多いです。逆に飲食や物販を扱うなら必須になります。
税抜価格または税率ごとに区分して合計した税込対価の額および適用税率
税率ごとに区分した対価の額と適用税率を記載し、金額は税抜・税込どちらでもかまいません。

あわせて、税率ごとに区分した消費税額等も必須です。10%と8%が混在するなら、それぞれの消費税額を分けて書きます。
消費税額の計算では、一つの適格請求書につき税率ごとに1回の端数処理を行います。明細ごとに端数処理を繰り返すと不備になりやすいので注意してください。
| 税率区分 | 対価の額(税抜) | 消費税額 |
|---|---|---|
| 10%対象 | 100,000円 | 10,000円 |
| 8%対象 | 20,000円 | 1,600円 |
よくある質問
ここでは、適格請求書の書き方でよく一緒に調べられる疑問にまとめて答えます。
よくある質問
請求書番号・支払期日・振込先・振込手数料の負担者などは、実務では便利なので入れておくと取引がスムーズです。ただし、これらは適格請求書の法定必須項目ではありません。
正直に言うと、6項目さえ押さえれば残りは自分の管理しやすい形で足せばいい、というのが私の結論です。完璧なテンプレートを探すより、まず登録番号を取って6項目を埋めるところから始めてください。
