税額控除とは?対象税目・主な種類・根拠法令をわかりやすく解説

- 税額控除とは、課税所得に税率をかけて算出した所得税額から、一定額を直接差し引く制度です。
- 所得控除は課税所得を減らすのに対し、税額控除は税額そのものを減らすため、節税効果がダイレクトに出ます。
- 代表例は配当控除と外国税額控除で、国税庁が税額控除の典型として挙げています。
- 住宅ローン控除では、年末時点の住宅ローン残高の0.7%を所得税から差し引けます。
- 税額控除を受けるには、原則として確定申告が必要です。
税額控除の結論

税額控除とは、課税所得に税率をかけて算出した所得税額から、一定額を直接差し引く制度です。
私が事務所で記帳補助をしていた頃、いちばん相談が多かったのが住宅ローン控除でした。「所得控除と何が違うの」と聞かれるたびに、こう答えていました。所得控除は税金を計算する前の段階で所得を減らす。税額控除は計算し終わった税金から直接引く。
正直に言うと、この違いを最初に押さえておくだけで節税の感覚がガラッと変わります。
対象税目
税額控除が直接かかわる主な税目は、所得税です。

国税庁の解説でも、税額控除は「課税所得に税率をかけて算出した所得税額から差し引く」と説明されています。つまり起点は所得税。
ただし住宅ローン控除のように、所得税で引ききれなかった分が個人住民税からも調整される制度があります。所得税が入口で、住民税はその受け皿、というイメージです。
概要
税額控除は、所得控除と違って課税所得を減らすのではなく、算出後の税額を直接減らします。
流れで言うと、収入から経費や所得控除を引いて課税所得を出す。そこに税率をかけて所得税額が決まる。その税額から差し引くのが税額控除です。
税額控除と所得控除の違い
いちばん混同されるポイントなので、表で整理します。
| 項目 | 所得控除 | 税額控除 |
|---|---|---|
| 差し引く対象 | 課税される所得 | 算出後の所得税額 |
| 効果 | 所得が減り、間接的に税額が下がる | 税額が直接そのまま減る |
| 代表例 | 基礎控除・医療費控除など | 配当控除・住宅ローン控除など |
私が実感として伝えたいのは、同じ「10万円の控除」でも意味が全然違うということ。所得控除10万円は税率分しか効きませんが、税額控除10万円はまるまる10万円税金が減ります。
税額控除の主なもの

国税庁が税額控除の代表例として挙げているのは、配当控除と外国税額控除です。
配当控除
配当控除は、総合課税の配当所得がある場合に、原則として配当所得の10%または5%に相当する金額を控除する制度です。
上場株式の配当などを確定申告で総合課税にしたときに使えます。
外国税額控除
外国税額控除は、日本で課税される所得の中に外国で生じた所得があり、その所得に外国の法令で所得税に相当する税が課されている場合に、一定額を控除する制度です。
海外の株式配当やファンドで現地課税された人が対象になりやすい。二重課税を和らげるための仕組みです。
住宅借入金等特別控除(住宅ローン控除)
住宅ローン控除では、年末時点の住宅ローン残高の0.7%を所得税から控除します。
所得税で引ききれない分は、所得税の課税総所得金額等の5%、最高9.75万円の範囲で住民税からも控除されます。
認定住宅等新築等特別税額控除
認定住宅等新築等特別税額控除は、認定住宅等を新築等して自己の居住用とした場合に、標準的な費用の額の10%相当額を所得税額から控除できる制度です。
この「標準的な費用の額」は650万円が限度で、控除額は最大65万円になります。適用には、その年分の合計所得金額が2,000万円以下であることが必要です。適用期限は令和7年12月31日まで。
| 制度 | 控除のしかた |
|---|---|
| 配当控除 | 総合課税の配当所得の10%または5% |
| 外国税額控除 | 外国で課された所得税相当額の一定額 |
| 住宅ローン控除 | 年末ローン残高の0.7% |
| 認定住宅等新築等特別税額控除 | 標準的な費用の額(上限650万円)の10% |
根拠法令等
税額控除の根拠は、所得税法および租税特別措置法に置かれています。

制度全般の定義は国税庁が「No.1200 税額控除」で示しています。住宅ローン控除や認定住宅等の特別税額控除は、財務省の住宅税制に関する資料で改正内容や数値が整理されています。
住宅ローン控除は財務省資料で「令和4年度改正」として整理され、個人住民税への控除調整を含む制度概要が示されています。
関連リンク
税額控除を正確に確認するなら、まず国税庁と財務省の一次情報にあたるのが確実です。
制度の定義は国税庁「No.1200 税額控除」、住宅まわりの数値や期限は財務省の住宅税制資料を見れば、最新の条件にたどり着けます。
関連コード

税額控除そのものは、国税庁のタックスアンサー「No.1200」で確認できます。
配当控除や住宅借入金等特別控除など、個別の制度にもそれぞれ番号が振られています。調べるときは制度名+国税庁で検索すると、対応する番号のページに着きます。
お問い合わせ先
具体的な金額や適用可否の判断は、所轄の税務署か税理士に確認するのが確実です。

私が事務所にいた頃も、微妙なケースは税務署の電話相談に確認していました。住宅ローン控除の初年度のように、書類の不備で控除を落とすともったいないので、迷ったら自己判断で進めないことです。
税の情報・手続・用紙
税額控除を受けるための手続きは、基本的に確定申告で行います。
会社員でも、住宅ローン控除の初年度や配当控除、外国税額控除を使う年は確定申告が必要です。2年目以降の住宅ローン控除は、会社員であれば年末調整で対応できます。
税について調べる

税額控除は適用要件や控除額の上限が制度ごとに細かく決まっているので、必ず最新の一次情報を確認します。
適用要件や税額控除額の上限が決まっている
たとえば認定住宅等新築等特別税額控除は、合計所得金額2,000万円以下、標準的な費用の額の上限650万円、適用期限令和7年12月31日までと、複数の条件がセットになっています。
一つでも外れると使えません。ここは正直、自己判断が一番危ない部分です。
申告手続・用紙
税額控除を受けるには、確定申告書に該当の控除を記入し、必要書類を添付して提出します。

税額控除を受けるには確定申告を行う必要がある
住宅ローン控除なら、初年度は残高証明書や登記事項証明書などの添付が要ります。配当控除は確定申告で総合課税を選択する必要があります。
freee会計などの申告ソフトを使えば、銀行口座やクレジットカードを同期して取引を自動で取り込めるので、控除に必要な書類づくりの手間を減らせます。
よくある質問
読者からよく一緒に聞かれる質問を、最後にまとめます。
